「会議所NEWS」2025年10月号の連載「がんばってます」(Vol.413)で、炭火やきとり武将門を2ページにわたって紹介していただきました。
誌面につけていただいた見出しは、こうです。
父から受け継いだ味と志が繋ぐ 地域に根差したやきとり居酒屋
自分の店のことを、人に聞かれて順を追って話す機会はそう多くありません。取材の時間は、父が始めたこの店のこれまでと、これからを振り返る時間になりました。せっかくなので、話したことをここにも残しておきます。

父が始めた、思案橋の赤提灯
武将門は、平成5年(1993年)7月に父が始めた店です。思案橋横丁に店を構えて、30年を超えました。

子どもの頃から、父が焼き場に立つ姿を見て育ちました。高校を出たらすぐにでも店に入りたい。そう思っていましたが、父の答えは「一度は外の世界を学んでこい」でした。
言われたとおり大学へ進み、商学を学びました。その就職活動の最中に、父が亡くなりました。
卒業と同時に長崎へ戻り、二代目の母と一緒に店を続けてきました。そして2023年7月、35歳の年に、母から店を引き継いで三代目になりました。
同じ年の11月、創業30周年を機に店を全面リニューアル。父の味と、父がつくった店の空気はそのままに、今の時代に合った店に生まれ変わらせました。

「武将門」という名前のこと
店名の「武将門(ぶしょうもん)」は、長崎の言葉の「ぶしょーもん(不精者)」から来ています。
かしこまった名前ではなく、どこか愛嬌のある名前で、気取らずに楽しめる店にしたい。父のそんな思いが込められています。仕事終わりにふらっと寄って、「ここで過ごす時間が楽しかった」と思って帰ってもらえる店でありたい。その思いは、三代目になった今も変わりません。
店内はカウンターとテーブルで、最大25名様まで入れます。仲間とワイワイでも、お一人様でも、気軽にどうぞ。

変えない味と、新しい味
武将門の串は、炭火で一本一本焼き上げています。一本80円からという手頃な価格で、素材の旨みを最大限に引き出す焼き加減には、一切妥協しません。
看板メニューの「牛すじ串」は、九州でも珍しい一品です。創業当時からの作り方を守り、旨みをじっくり引き出しています。父の代から変わらない味です。

味や仕込みの基本は守る。そのうえで、時代とともに変わるお客様の好みにも応えていく。新しい工夫は惜しみません。
「父から受け継いだ味」と「新たな味」。この2つを、スタッフと一丸になって作っています。
今でも、父の頃からの常連さんがたくさん来てくださいます。「昔はこうやったぞ」と、自分の知らない父の姿を教えてもらえる時間が、何より嬉しい。もっと頑張ろうと思える瞬間です。
地域が元気でこそ、店も元気でいられる
店は、長崎の繁華街・思案橋横丁にあります。自分の店のことだけでなく、地域全体のことも考えるようにしています。
長崎くんちでは、本石灰町の一員として根曳に加わってきました。商店街の活動にも、できるだけ関わるようにしています。
地域全体が元気になってこそ、自分の店も続いていける。だからこそ、みんなで力を合わせて、この地域を盛り上げていきたいと思っています。
コロナの頃、思案橋から人の姿が消えました。それでも、お客様に足を運んでもらえる方法は何かあるはずだと考えました。そうして開いたのが「思案橋くんち2020」です。長崎くんちが中止になった年でも、この伝統を途絶えさせたくありませんでした。
焼き鳥屋が、ホームページをつくる理由
2019年からWebやプログラミングの勉強を始め、コロナの頃に本格的に打ち込みました。先が見えない中で、自分にできることを増やしておきたかったからです。
今では、ホームページ制作やECサイトの構築も手がけています。このホームページも、自分でつくりました。
目指しているのは、自分の店の繁盛だけではありません。地域の店が、無理な負担を抱えずに、ホームページやITを使って自分の魅力を発信できるようにすること。それが、思案橋を、長崎を、次の段階へ盛り上げていくことにつながると思っています。
おわりに
お客様のために、地域のために。炭火の香る店で、仲間と、大切な人と、地域の人たちと笑顔を交わす。そんな時間を、これからも守っていきます。
取材してくださった皆さま、本当にありがとうございました。
長崎の夜は、思案橋の炭火やきとり武将門へ。
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